【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
「今日の夜、なに食べる?」
「え?」
「いや、あくまでも自然に仲良いところを撮ってもらったほうがいいかと思って。
今日はわたしが作るね?」
「うーん…そうだな。
久しぶりにトマト料理が食べたいな」
「じゃあ、チキンのグリルにしよう。
トマトソースと一緒に」
「うん。でも、その前にリラを食べたい」
不意打ちで耳元でそんなことを言われ、わたしは思わずまたドキッと心臓が跳ねた。
「な、なに言ってるの!」
「冗談ですよ」
「なんだ、冗談か。」
「というのは嘘。本気です」
「えっ!?ど、どっちー??」
わたしが安室さんよりも余裕ぶれたのは、さっきのほんの一瞬で、すぐに安室さんに主導権を握られた。
結局、わたしを食べたいって言うのが嘘かほんとかわからないまま、パターンBの撮影も終了した。
「お疲れ様でしたー!
Bの方も、たくさんパターン撮ったので、Aと合わせて後日サンプルをお送りしますね!」
「了解です!出来上がるの楽しみだ!」
カメラマンとデザイナーと握手を交わしながら、挨拶をしていると、山岸さんがわたしと安室さんに近付いてきた。
「安室さん、ありがとうございました!
またぜひレコーディングの見学にでもいらしてください」
「ええ。ぜひタイミングが合えば、またリラが仕事をしているところを見させてください。
今日、なんだかんだ僕も楽しかったです。
貴重な経験をありがとうございました」
安室さんはご丁寧に山岸さんとその場にいたスタッフ全員に礼をした。
そして、今日の仕事を終えたわたしたちは、安室さんの車で自宅へと帰宅した。