【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
カシャカシャとシャッター音の数がさっきの3倍は鳴っている。
周りで見ていた衣装さんや広報担当など、スタッフの女性たちは、きゃー♡と黄色い悲鳴をあげた。
ゆっくりと唇を離すと、零はわたしの髪を撫でながら言う。
「ごめん。我慢できませんでした」
「…ずるい」
そんな二人の様子を撮りまくったカメラマンは、上機嫌にOKの合図を出した。
「いいねー!たくさんパターン撮ったから、一回確認してくれる?」
そう言われ、二人で手を繋いでモニターを確認した。
自分達のキスシーンがたくさんサムネイルに並んでいて、わたしと安室さんは思わず顔を赤くする。
「こんなに照れるの初めてかも…」
そう言って安室さんは口元を覆いながら目を逸らした。
「当初はキス寸前の予定だったけど、キスしてる写真でもいいかも。
ただ、唇写ると生々しいから、顎下の画角でジャケットにするのはどう?」
照れていたのも束の間、わたしは突然仕事モードに脳をスイッチして、ジャケットのデザイナーと相談した。
「それもいいですね。
いくつかパターン作って、後日サンプルを見てもらいます」
「ありがとう。お願い」
撮影は至ってスムーズにことが運び、
これでパターンAの撮影は終了となった。