【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
しばらくするとカメラマンが入ってきて、撮影がスタートする。
ジャケットの種類は2種類で、1種類目が向かい合ってキスする寸前を横からのアングルで撮影する。
2種類目は後ろから抱きしめられながら、微笑む顔を正面からのアングルで撮影する。
まずは1種類目からだ。
「はい、じゃあ安室さんは右手でLilaの頬に手を添えてー
Lilaはちょっと節目がちに安室さんを見つめて」
カメラマンの注文通り、ポーズを取るわたしたちだけど、
キスなんて何度もしているのに、いざ写真を撮られるとなるとものすごくドキドキする。
「…なんか、照れますね」
零は少しだけ顔を赤くして微笑みながらわたしを見た。
そして、角度を変えて唇がだんだん近づいてきて、その間シャッター音が鳴り響く。
唇が重なる瞬間をキープしながら、わたしはじっと零を見た。
この状態でじっと顔を見ることなんてなかったけど、零って肌綺麗だな…
掘りも深くて、瞳も綺麗な色。
透き通る金髪も綺麗。
こんなかっこいい人が、自分の彼氏なんだ。
そして、初体験の相手なんだと、優越感に浸ってしまう。
「この距離でキープしたことないから、恥ずかしいね」
少し口を動かしてそう言うと、零はいつもより妖艶な笑顔で笑いながら言う。
「じゃあ、キスしようか」
「え…」
驚いて思わず表情を崩したわたしをよそに、零の唇がわたしの唇を奪った。