【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
白いワンピースに袖を通して、メイクをするために鏡の前に座ると、いつものメイクさんが笑いかけてくる。
「彼氏、イケメンだねえ」
「でしょ?」
普通はそんなことないよー。と言うところを、わたしは迷いなく肯定。
世界一かっこいいんだから、当然だ。
「何してる人なの?
業界人じゃないよね?」
「えっと…カフェのウェイター!」
さすがに、警察官です。とは言えず、安室さんの職業を言った。
嘘をつくのは心苦しいけれど、わたしたちの関係は特殊だ。
きっと零も、わたしとのことを聞かれたときに嘘をつくのが大変だろうな…
山岸さんに連行された零のことが気になりながらも、わたしはヘアメイクを終えると撮影スタジオに戻った。
零はすでに着替えを終えていて、少し居心地悪そうに撮影スタジオの簡易椅子に腰掛けてる。
衣装の白いシャツは、普段の零の服装と似ていて、これから一緒に撮影するって感じが全然しない。
零の方へ歩いていくと、白いワンピースに身を包んだわたしを見て零が優しく笑った。
「可愛いね」
零に可愛いと言われると、わたしは毎回馬鹿みたいにドキっとする。
付き合う前からそれは少しも変わっていない。
「安室さんだって、かっこいいよ」
そう言って2人で照れ合うわたしたちを、スタッフは微笑ましく見ていた。