【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
しばらくしてリラも風呂から上がると、ベッドで本を読む僕の隣に来て、ぎゅーっと抱きついてくる。
「リラ?甘えん坊だね」
「んー!好きだから!
何の本読んでるの?」
そんな風に抱きついて僕に甘えるリラ。
僕はリラの質問には答えず、不意打ちでリラに尋ねた。
「リラ、何か僕に頼みがあるんじゃない?」
突然のその僕の問いに、リラはもともと大きな目をさらにまん丸に見開いて僕をみた。
そして数秒後に、今度は声で驚きを表す。
「な!なんでわかるの?!!?」
あぁ、やっぱり。
単純すぎる僕の可愛い彼女に思わずぷっと笑いながら、僕はリラの髪を撫でて優しく言う。
「リラのことは、すぐにわかるよ。
リラのことばかり見ているんだから」
「零…」
「で?何?頼みがあるなら言ってごらん?」
リラの肩を抱き寄せて、髪を撫で、思いつく限りリラを存分に甘やかしている僕。
ちょっと、ベタベタしすぎか…?
なんて、リラに少しも嫌われたくなくて、普段なら絶対気にしないようなこともつい心配してしまう。
リラは、そんな僕の心配なんて不要なぐらい、僕にくっついて、うーーーと、甘えながら口を開いた。
「…零に、わたしの新しいシングルのジャケット撮影に協力してほしいんだけど…無理だよね?」
少しだけ申し訳なさそうに、そんなことを言ってくるリラ。
予想外のお願い過ぎて、僕は一瞬固まった。
「え…ジャケットに協力って…」
「あ!顔は出ないの!
その…今回の新曲が、零とのことを歌った曲だから、意味深にジャケットに男が写ってるのが話題になっていいんじゃないかって…」
顔は出ないのか…
それならまあいいか。
まあでも、顔が出なくても多分見る人が見たら僕だってすぐに分かりそうだけど。