【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
安室side
夕食を食べた後、リラが洗い物をしてくれると言うので、僕は先にシャワーを浴びている。
頭から熱いシャワーを被っている時、ふと思った。
リラ、何か僕に言いたいことを隠している気がする。
もうリラと付き合い始めてしばらく経つけど、リラが何か言おうとして遠慮してやめる時の空気感がだんだん把握できるようになって来た。
僕には何でも言って欲しいのにな。
はぁ…とため息をつきながらも、リラは自分のことを話すのは苦手なタイプだし、僕からちゃんと聞いてあげないとダメだと思う。
寝る前に聞いてみようと決意して、バスルームを出るとリラはギターの練習をしながら未だ歌詞のないメロディをハミングしている。
透き通るようなこの歌声を、この時間に自宅で聴けるのは世界中にたったひとり僕だけだ。
自分の彼女の素晴らしい歌声に聴き入っていると、僕がシャワーから出たことに気付いたリラはこちらを見た。
「あれ。もう出たの?じゃあわたしもシャワー浴びようっと」
入れ替わりでリラがバスルーム入るのを見届けた後、僕はリラを待つ間本でも読もうとベッドに入ると、昨日から読みかけだった分厚い本を手に取った。