【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
「じゃあ、安室さんに聞いておいて」
「わかった」
仕事終わり、山岸さんが家まで送ってくれ、別れ際に忘れないようにリマインドをしてくれる。
パタンと車のドアを閉め、山岸さんの車を見送りながら考えた。
だけど、何て頼もうかな…
というか、顔は写らないとはいえ、安室さんの姿が全国販売されるわけだけどそれは大丈夫なのかな…
だって、カフェで働くために偽名使ってるぐらいなんだし、立場上、協力は難しいかもしれない。
色々頭の中で考えながら家のドアを開けると、中からいい匂いがする。
「ただいま」
「あぁ。リラ、おかえり」
LDKに入ると、安室さんがキッチンに立って夕食の料理をしているところだった。
「いい匂いがするー!何作ってるの?」
「ビーフシチュー。
味見してみますか?」
そう言いながら、味見用のお皿にシチューを移し、わたしへ差し出した。
わたしは差し出された安室さんの手を握り、安室さんに皿を持たせたまま自分の口をつけた。
深みがあって、コクのあるビーフシチュー。
今まで食べたビーフシチューのどれよりも美味しい。
「…美味しい!」
「そう?良かった」
優しく笑ってわたしの髪をぽんぽんと撫でる安室さん。
きゅう…と胸が苦しくなる。
もう、好きすぎてどうかしてる。