【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第17章 似てない家族 ☆
裸の付き合いで親睦を深めるどころか、さらに険悪なムードになったことはさすがのわたしでもわかった。
これ以上睨み合いを続けさせるわけにはいかない!と、わたしは慌ててその場を収めようとする。
「じゃ、じゃあもう寝よう!!
お兄ちゃんは悪いけどソファーで寝てよね!」
そう言いながら、はい。とブランケットとクッションを手渡すと、兄は目を丸くしてこちらを見た。
「お前はどこで眠るんだ」
「わたしは…安室さんとベッドで」
その言葉を聞いて、また兄は安室さんをギッと睨む。
もう…いい加減妹離れしてください…
「お兄ちゃんが何言っても、わたしは安室さんと寝るから!」
有無を言わさぬよう、安室さんの腕をぎゅっと掴みながら、半ば強引に安室さんをリビング横のベッドに引っ張ると、ピシャッと扉を閉めた。
「もう…ほんと、子供なんだから」
そう言いながらため息をつくわたしを、安室さんが後ろからぎゅっと抱きしめた。
「?なんか、さっきから甘えんぼだね、零」
「んー…」
そう言いながら、わたしの髪に顔を埋めた零。
ほんと、どうしたんだろう。
お風呂から出てきてからなんとなく様子が変だ。
後ろから抱きしめられたまま、ベッドの中に入ると、零はまるでわたしを抱き枕のように羽交い締めにしてくる。
「リラ……好きだ…」
わたしを抱きしめながら、噛み締めるようにそう言う零が愛しい。
それと同時にやっぱり気になって、わたしは抱きしめられた状態のまま零に尋ねた。
「ねぇ、もしかしてお兄ちゃんと何かあった?」