【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第17章 似てない家族 ☆
寝る準備をしてLDKでギターを弾いていると、安室さんが戻ってきた。
「あれ?はやいね。
親睦は深まった?」
そう言って笑うと、安室さんはわたしに近づいてきて、突然わたしの身体を強く抱きしめた。
「えっ…あ、安室さん?」
「リラ…好きだよ」
「どうしたの、突然」
目を丸くして、抱きしめられたまま安室さんに声をかけるけど、ぎゅ…と抱きしめたまま離してくれない。
「リラは僕のこと、好き?」
「好き…大好き…」
ぎゅっと安室さんを抱きしめ返してそう言うと、安室さんはゆっくり身体を離してわたしのおでこに自分のおでこをくっつけた。
「本当?」
「嘘なわけないでしょ?」
「確かめていいですか?」
そう言いながらゆっくりと顔が近づいて、あと少しで唇が重なる瞬間
コンコン
ドアを叩く音がしてパッとそちらを見ると、お兄ちゃんがLDKの壁にもたれ、腕を組みながらこちらを睨んでいる。
「俺がいること、忘れてないか?」
「忘れてないよ!!」
慌てて安室さんから身体を離そうとしたとき、安室さんがわたしの腕を引いて、今度は後ろからわたしの身体をギュッと抱きしめる。
「え!あ、安室さん??」
どうしたの?と彼の様子を伺うけど、わたしを抱きしめたままじっとお兄ちゃんのことを睨んでいるようで、かたや兄も物凄い人相で安室さんを睨んでる。