【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第17章 似てない家族 ☆
そんなこんなで、ベルツリーを出た後、外で夕食も済ませて帰宅したのだが、僕はリラが放った言葉に思わず耳を疑った。
「は?…も、もう一度言って?」
「だから、お兄ちゃんと安室さんでお風呂一緒に入って?」
お兄さんと、僕が、風呂??
赤井似のお兄さんと僕が???風呂???
どこをどうすればそういう発想になるんだ…と、頭を抱えていると、リラは僕たち2人を交互に見ながら言う。
「わたし、お兄ちゃんと恋人には仲良くしてもらいたいの!
なのに、2人とも今日ずっとギスギスしてるし…
裸の付き合いで、打ち解けてきてよ!」
そう言いながら、リラは強引に僕たちそれぞれにバスタオルを押し付けた。
「いや、裸の付き合いって…」
「リラ、意味不明なこと急に言い出すなよ」
慌てふためく僕と、静かにキレる兄
僕たちに呆れたため息をついたリラは、ぐいっと僕たちの身体を脱衣所に向かって押すと、
「仲良くしてよね?」
そう言って、ぴしゃっと脱衣所の扉を閉めた。
狭い脱衣所に、僕と赤井似のお兄さんが取り残され、気まずいことこの上ない。
すると、お兄さんがハァッとため息を吐いたかと思えば、着ていた服をバッと脱いだ。
6つに割れた腹筋に、鍛えられた胸筋。
さすがパイロットというぐらい、見事な肉体美だ。
僕はそれに謎に対抗するように、着ていた服を脱いだ。
悪いけど僕だって毎日ちゃんと鍛えているし、これでもゼロに所属する警察官だ。
一般人に身体で負けるわけにはいかない。