• テキストサイズ

【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第17章 似てない家族 ☆




安室side


なんだあれ…


飲み物をテイクアウトして戻ると、お兄さんがリラに優しく微笑みながらデコピンしている。


はたから見たら、まるで兄妹には見えない。

あの目、兄が妹を見る目にしては不自然なぐらい熱がこもっている気がする。
リラの方はそうでもなさそうだが…

もしかしてこれは、俗に言う僕は妹に恋をする的な展開…?


また赤井と恋敵かよ…
と、痛くなってきた頭を抱えながらはあ…と今日で一番大きなため息が出た。


そして今度は僕が2人を割くように間に入ると、買ってきた飲み物を手渡した。


「安室さん、ありがとう」


そう言ってカップを受け取ったリラは可愛い顔で笑った。

お兄さんに買ってきたコーヒーを渡すと、彼の翡翠の瞳とバチッと目が合う。

やっぱり、僕を見る目が敵対以外の何者でもないな…


お兄さんはコーヒーの入ったカップを受け取ると、それを飲みながら左側の景色を眺めた。


「あ、リラ。
あれなんだろう?」


リラを間に挟んだ右側にいた僕は、わざと僕の方に顔を向けるように、カマをかけて指をさした。
リラはあっさりひっかかって僕の指差す方を見たから、咄嗟にその隙をついてリラの唇を奪う。


「っ…」


驚いて思わず声を漏らしそうになるリラは、すぐに僕の真意に気付いて、何も言わずにただ受け入れてくれた。


ゆっくり唇を離すと、顔を赤くしたリラが僕に言う。


「どっ…どうしたの?突然…」

「キス、したくなっちゃいました」


とぼけたふりしてそう言いながら笑ったけど、これを皮切りに、僕は隙あらばリラにキスをした。

ただの兄妹なのに、僕はどれだけ嫉妬深いんだ…

そう思いつつも、お兄さんから向けられるリラへの視線がずっと気になり、気が気じゃないままベルツリー観光は終了した。


/ 945ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp