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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第17章 似てない家族 ☆




自分に呆れながら両手で熱くなった頬を冷やしていると、わたしと安室さんの間にお兄ちゃんが割り込んできた。


「人前で、イチャイチャしすぎだ。離れろ」

「なによー!イギリスだと日常茶飯事でしょ??」


お兄ちゃんに反抗するみたいにわたしがじろっと睨むと、お兄ちゃんはため息を付いて呆れたように言う。


「お前は、自分の立場をもう少し考えろ。
記者に好き勝手書かれるぞ」


そう言いながら、お兄ちゃんはまたわたしの頭を撫でる。
本当にいつまで経っても子供扱いだ。


「わたし、もうお兄ちゃんの後ろついて行ってた小さい女の子じゃないからね?」

「だったら尚更、大人らしく振る舞え」


10言い返したら100また言い返される。
きっとこの先も一生、お兄ちゃんに追いつける未来なんて来ないんだろう。


わたしがぶーっと膨れると、安室さんが気を使って笑いながら提案した。


「喉、乾きませんか?
僕、そこのカフェで何か買ってきますよ。
リラは何が良い?」

「…アイスティー」

「お兄さんは?」

「だから、君の兄じゃないと何度も…」

「お兄ちゃん!!怒るよ!?」

「…ブラックのアイスコーヒー」


わたしが窘めて、ようやく大人しく注文を言ったお兄ちゃんを見て、
安室さんは、はは…と苦笑いをしながら、ベルツリー展望台の中にあるカフェへと向かった。




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