【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第17章 似てない家族 ☆
「なかなか年上に見えるな。
歳は?仕事は何を?」
「29です。仕事は…カフェのウェイターと探偵を少々」
「ホォー」
口癖まで赤井と同じかよ…
げんなりとした顔をした僕を見て、リラが気を使って僕の味方をする。
「じゃあ、わたしの顔は見れて、元気なのはわかったんだし、お兄ちゃんもう帰ってよ」
「お前の家に泊まろうと思って、ホテルキャンセルしたんだよ。」
「ええぇー。じゃあ、今日は自分の家に帰るかな」
そういった瞬間、僕の危険信号がビビッと鳴った。
ただの兄妹のはずなのに、なぜかこの二人をふたりきりにしてはいけないと本能的に思った。
「お兄さんもここに泊まって大丈夫ですよ?」
「俺は君の兄じゃない」
「もう!お兄ちゃん!」
リラが兄に嗜めた後、僕の方をじっと見ながら首を傾げた。
「安室さん、気を使うでしょ?
わたし今日はお兄ちゃんと自分の家に…」
「いや。全然気を使わない!
むしろ、ほら。リラのお兄さんなら仲良くなりたいし。
あ、東京久しぶりですか?案内しますよ」
何でも軽く口に出してしまうのは、僕の悪い癖だな。
僕のこの苦し紛れの提案が気付けば1時間後に現実になっていたことに、ああ。言わなければよかったか?と後悔すらした。