【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第17章 似てない家族 ☆
そこに立っていたのは、赤井秀一だった。
は!?どうしてこいつが僕の家に?
まさか、あの子の事で何か聞きに来た?
あの子というのは、僕の前の彼女。
もともと赤井と付き合っていた彼女は、赤井にフラれて僕と付き合った後も赤井のことが忘れられず、結局また赤井の元へ戻っていった。
それにしてももう復縁してだいぶ経つぞ…
今更、何を…
頭の中はプチパニックだ。
混乱に混乱を重ねていると、目の前の男は更に意味不明なことを言い出す。
「雨宮リラはいるか?」
は…?リラ!?
どうして赤井秀一が、リラを?
「何しに来たんだよ。赤井秀一」
「…はあ?赤井?」
「リラに何の用だ。リラと、どういう関係なんだよ」
そう言って睨むと赤井秀一は僕を睨み返しながら言う。
「君こそ、リラの何だ?」
「っ僕は…!」
リラの彼氏だ。と、言おうとしたその瞬間
「安室さーん…誰ー?」
目をこすりながら、僕のシャツを1枚着たリラがぽてぽてと玄関に歩いてきた。
「リラ、向こうに言ってな」
「えー?でも…って…え!えぇ!?お兄ちゃん!?」
「おにい…………っえ!?」
リラから飛び出したまさかの単語に僕は思わず目を見開いて目の前の赤井秀一を二度見した。
よくよく見てみると、目の下のクマがない。
お兄ちゃんと言われた、赤井そっくりのその男性は、リラの姿を凝視する。
ハッと僕もリラの方を見ると、さっき僕が半分脱がせたまま、シャツは胸の谷間が出るぐらいはだけ、ショーツも脱がせかけのように半分ズレている。
そして僕はこの通り上半身裸。
僕たちの姿を交互に見たその男性は、あり得ないほどの鋭い目つきで僕をギロッと睨む。
「おにい…様?」
まさか過ぎる展開に、僕は頭が真っ白になった。