【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第16章 愛が重い ☆
それから数日後
「降谷さん」
「待たせたな」
いつもの喫茶店で風見と打ち合わせをする日だ。
いつも通りアイスコーヒーを二つ注文し、資料に目を通しながら仕事の打ち合わせを一通り終わらせたとき、風見が机の上にドンッと紙袋を置いた。
「これ、降谷さんにささやかながらプレゼントです」
「?なんだ?これ」
「Lilaさんのグッズです!
友人がLilaさんの熱狂的ファンで、最近私の上司がLilaファンになったことを話したら、新参ウェルカムとグッズをたくさん分けてくれました」
ニコニコと嬉しそうに話す風見はもう完全に公安の風見ではなく、アイドルオタクの風見だ。
「いや…僕はLilaのファンじゃなくて恋人…」
「Lilaさんのアイドル時代のブロマイドや、伝説と言われ入手困難な卒業公演の円盤、雑誌の切り抜きなどなど、Lilaを語る上で欠かせないものばかりだそうです!
ぜひ!降谷さんに!!」
「あ…ありがとう」
風見の勢いに負け、僕は大人しく紙袋を受け取った。
紙袋の中に手を入れて、ガサゴソと一つグッズを手に取り引っ張り上げると、Lilaのブロマイドセットが手の中にあった。
1枚ずつ見ていくと色んな衣装、いろんな表情のリラがいて、どれも余す所なく可愛い。
「…なんか、こう半端に手元にあると全部集めたくなるな…」
「降谷さん!それはオタクの入り口です!」
「…勘弁してくれよ」
はぁ…とため息を吐きながら、次はリラの卒業公演のDVDのパッケージを眺める。
卒業公演というだけあり、コンディションも最高に可愛い写真がパッケージになっており、思わず呟いた。
「…この顔、可愛いな。
この顔のブロマイドが欲しいよ」
「降谷さん…もう立派なオタクです!!」
「…不本意だ」
その他にも、リラのアクリルスタンドや缶バッジ、ライブのパンフレットなど、ありとあらゆるグッズが紙袋の中に入っていて、僕は戸惑いながらも自分の彼女の大量のグッズたちを受け取った。