【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第16章 愛が重い ☆
その頃
「Lilaー!この間の表紙を飾ったanan、売れてるみたいだよ」
ドラマの撮影の合間、お弁当を食べていると山岸さんがルンルンと嬉しそうにわたしに話しかけた。
「あー!前に撮ったやつだ!」
確かこれを撮ったのは安室さんと付き合い始めてからだったっけ…
あの時より、今の方がもっと安室さんの方が好きだ。
ふふ…と、嬉しくなってニヤニヤと笑みが溢れるわたし。
「このドラマも、人気の少女漫画が原作だから、ヒットするはずだよ」
「だと良いんですけど…
演技はどうも苦手で…」
今撮影しているドラマは、女子高生が高校教師に恋をすると言う話。
23歳。ギリギリの女子高生役に悪戦苦闘する毎日だ。
歌だけ歌っていたいわたしだけど、事務所の意向でたまにこうしてドラマに出たりもする。
まぁ、歌に関しては好き勝手やらせてもらっているから、こればかりは文句の言いようもない。
ふとスマホを見ると、安室さんからメッセージが届いてる。
タップして中を確認すると
「リラ。今日何時に帰る?
話があるんだ」
そう書かれていた。
「山岸さんー。
この撮影って、てっぺん越すかな?」
「いや?割とスケジュールに余裕あるみたいだから、もう少し早く終わると思うよ」
「おっけー。
…24時までには帰るよ…っと…
なんだろ?話って。」
今日の夕食の話ではなさそうだし、改まって言うってことは…
別れ話じゃないよね!?まさかね???
「Lilaさんー!シーン8から撮影再開です」
「あ!はぁーい!」
スタッフに呼ばれ、わたしは大急ぎで準備をすると、また撮影に戻った。
まあ、別れ話じゃないと信じよう!
意外と大した話じゃないかもしれないしね!
そんな風に自分に言い聞かせながら、苦手なドラマ撮影を粛々とこなしていった。