【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第15章 世界で一番幸せな朝を ☆
初体験の次の日、朝っぱらから激しく抱かれるとは思ってなかった。
疲れきったわたしは、一度起きたのにも関わらず、抱かれた後熟睡。
何年も続けてた朝のランニングを、今日初めてサボった。
ハッと、今何時だ?!と、時計を見るとお昼12時を少し過ぎていた。
今日、14時からボイトレだ…
ボイトレは、やればやるほど歌が上手くなるから大好き。
そんな大好きなボイトレの日なのに、今日は何となく行きたくないなと思った。
このまま零とずっといたい。
零の胸の中に擦り寄って、また目を閉じようとした時、
「コラ。また寝るの?」
ハッと見ると、零は微笑みながらわたしを見つめていた。
「…だって。離れたくない」
「…僕も」
そう言いながら、零はわたしの頬にキスをして、おでこをくっつけてわたしを見る。
「でも、僕も午後からポアロだから。
起きないと」
「ん…わかった。じゃあ起きよう」
じっと目を見つめ返しながらそう言うわたしだけど、全然身体を起こす気になれない。
「じゃあ、リラに服を着せないとな」
零はわたしの髪を撫でると、昨日自分が脱いだ白いシャツを取り、わたしの肩にかけた。
「零のシャツ…」
ブカブカな彼のシャツに手を通して、袖を口元に持っていくと、零は
「…可愛すぎる」
そう言ってまたわたしを抱きしめる。
もうキリがないイチャイチャ合戦だ。
結局ギリギリまで2人でベッドの中でキスをしたり、抱きしめ合ったりしていて、全身零の愛で満たされたわたしは、上機嫌でボイトレへと出掛けた。