【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第14章 溶け合う体温 ☆
零に初めて抱かれた時、思ったの。
こんなに幸せなひとときってあるんだなと。
ライブでみんなの前で歌う時とはまた違った幸せ。
まるで世界中にわたしと零しかいないみたいで
零の声とか、言葉とか、息遣い全てが愛しくて
零の大きな背中に腕を回して必死にしがみついた。
迫ってくる快感と痛みに飲み込まれそうだったから。
零は今までで一番優しい笑顔でわたしの瞳を見つめてくれた。
そして、おでこにキスしながら
「よく頑張ったな」
と、大きな手で頭を撫でてくれた。
力が入らなくて、動かすと少し痛くて、ベッドの中で零の香りを嗅ぎながら余韻に浸っていると、ペットボトルの水を持った零がベッドに戻って来た。
「リラ、喉乾いただろ?水持って来たよ」
「ありがと…」
水を飲もうと身体を起こすと、零も隣に来て、わたしの肩を抱き寄せてくれる。
「身体、平気?」
「…うん。ちょっと痛いけど…痛い方がいい」
「?痛いのが好き?」
「そうじゃなくて、何か…痛いとちゃんと現実だったんだなって思えるから。
…夢みたいで…ほんの数分前と思えない…」
零に寄りかかりながらそう言うと、優しく髪を撫でて頬にキスをくれた。