【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第14章 溶け合う体温 ☆
「…リラ」
「ん?」
「僕の本名も、本業も、話せてよかった。
…僕が今、どんなことをしているのか詳細に教えることはできないけど、君は僕が守るから。
だからリラは、安心して大好きな歌を目一杯歌っていて欲しい」
「うん…ありがとう、安室さん」
彼の偽名を呼ぶと、安室さんは驚いてわたしを見た。
「…名前は、本名で呼んでもいいんだよ?」
「うん。…安室さんを独り占めしたくなった時は、零って呼ぶね」
「…今は、独り占めしたくないの?」
「さっき十分独り占めしたから。
これ以上したら、神様に取り上げられちゃう」
そう言いながらぎゅっと抱きつくと、安室さんはフッと笑いながらわたしの髪にキスをした。
「…普段は、安室透の名前を使うことの方が多いから、そっちの方が助かる。
…ありがとう」
「ううん。わたしの方こそ、話してくれてありがとう。
…今日が今まで生きて来た中で一番幸せ」
そう言いながら安室さんにぎゅっと抱きつくと、安室さんは髪を撫でながら言った。
「大切にするから」
「うん…」
そう言って笑うと、安室さんはわたしの唇に唇にを重ねてくる。
「ん…」
「リラ…今日はこのままリラを抱きしめて眠っていい?」
「え…は、裸のまま?」
「うん。
…やっとリラを抱けたのが嬉しすぎるんだ…」
そう言いながら、安室さんはわたしの身体をぎゅっと抱きしめた。
体温が溶け合うのが心地よくて、わたしもそのまま安室さんにぴたっと寄り添うと、幸せを噛み締めながらゆっくりと目を閉じた。
初めてが降谷零で良かった。
心底そう思いながら、今この幸せを守り抜きたいと思った。
いつまでも…
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