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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第13章 ZERO





ふわっと香ったのは、わたしの大好きな匂い。


わたしの身体を抱きとめたのは、安室さんだった。


「安室さん…」

「リラ…やっと見つけた…
無事?怪我してない?平気?」


安室さんはわたしの両肩を掴みながら、わたしの頬を撫で、髪を撫で、無事を確かめるように瞳をのぞいた。


「大丈夫だよ?あ、安室さん何でここに…?
…というか、安室さんの方が怪我してるじゃない!」


安室さんの方を見ると、左肩全体が血で染まっていることに気づいた。
わたしは慌てて持っていたハンカチで安室さんの肩から出ている血を止血する。


その時、安室さんがわたしの身体を力一杯抱きしめた。


「良かった…リラ…」

「安室さん…」


彼の名前を呼びながら、安室さんの背中に腕を回してギュッと抱きしめ返した時、安室さんはわたしの髪に鼻を埋めるように抱きしめながら、耳元で言った。


「安室さんじゃないんだ」

「え…?」


吐息のように溢れたわたしの微かな疑問符を聞いて、安室さんはゆっくりとわたしから身体を離した。


そして、じっとわたしの瞳の奥を覗きながら真剣な顔をして、わたしがずっと疑問に思っていた問題の解答を静かに提示する。


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