【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第13章 ZERO
ランニングを終えると、ちょうど山岸さんが安室さんのマンション前まで迎えに来てくれていた。
「はやいね!ちょっと待ってて」
「後30分ほど余裕あるから、シャワー浴びておいで」
山岸さんにそう言われ、わたしは大急ぎでシャワーを浴びて髪を乾かすとすっぴんのまま山岸さんの車に乗り込んだ。
「今日は多分夜遅くなるからそのつもりで」
助手席に乗り込んだわたしにスタバで買ったコーヒーを渡しながら山岸さんが言う。
そっか。遅くなるなら、一応安室さんに連絡しておいたほうがいいな…
そう思ったわたしはスマホを取り出して安室さんにLINEを入れた。
「今日、エッジオブオーシャン横のカジノタワーでステージの視察に行きます。
帰りは夜になりそうだから、先に寝ててね」
まあ、何なら安室さんのほうが帰りが遅いかも知れないけど…
ほんとに、一体何の仕事してるんだろ…
また前に見たいに大怪我して帰ってきたら…
そう思うと、心配で気が気じゃなくなる。
今日の夜、もし顔を見れたらちゃんと話そう。
助手席から流れる景色を眺めながら、ポツリと呟いた。
「知りたいんだよ…安室さんのことが…」