【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第13章 ZERO
朝起きたら、例のごとく安室さんはすでに仕事へと出かけていた後だった。
珍しくアラームをかけ忘れていたわたしは山岸さんからの電話で起こされた
「んー。はあい」
目をこすりながら電話口に話しかけると、山岸さんが慌てた様子で話し出す。
「あ!良かったつながった!
Lila、今日の予定を大幅に変更したいんだ。」
「えーっと…今日は、午後から次のシングルジャケットの衣装打ち合わせだったよね」
「ああ。その予定だったんだけど、午後から例のカジノタワーで視察をさせてもらえることになったんだ。
来週のライブが問題なくできるかどうかと、Lilaがステージ上でどう動くかのチェックも込めて」
「なるほど?」
「だから、申し訳ないんだけど衣装打ち合わせを午前中にズラしてもいいか?
後1時間で迎えに行くよ」
この業界、突然マネージャーが家に迎えに来るなんてしょっちゅう。
スケジュール変更も珍しいことではない。
「了解。メイクは車の中でするから、10分だけランニングさせて…」
それだけ言って、わたしは眠たい目を擦りながら重い身体を起こし、
ランニングウェアに着替えると、フラフラと家を出た。