【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第13章 ZERO
安室side
自宅に着いたのは朝5時だった。
風見と公衆電話で連絡を取ったあと、家に帰るときにスマホを見るとリラから2度着信があったことに気付く。
しまったな…
連絡一本ぐらい入れてやればよかった。
まあでもきっと、この時間だし帰ったら眠ってるだろうけど。
リラの顔がみたい。
仕事で疲れて帰るとリラがいる。
それだけで、癒されてるんだ。
馬鹿みたいに。
フッ…と自分に呆れながら、ガチャ…と玄関の鍵を回し、ドアを開けた時、中からリラが血相を変えて走ってくる。
「安室さん!!!」
「え…お、起きてたのか?」
「怪我してるじゃない!!どうしたの?!」
僕の姿を見るや否や、思い切り心配そうに眉を八の字にして、僕の頬に手を添えたリラ。
それが可愛くて、思わず僕の顔が緩む。
「ちょっと、ポアロで…レンジが爆発して…」
さすがに苦しいこの言い訳に、リラは怪しそうに僕を見た。
「…ほんと?」
「リラは、寝てないの?
もしかして僕をずっと待っててくれた?」
本当?という問いに対し、嘘だよも本当だよも言わなかった。
これ以上、嘘をつきたくなかったから。