【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第13章 ZERO
そのあとは雑誌の表紙撮影にインタビュー
コンポーザーとの次の曲の打ち合わせ。
全て仕事を終えて帰宅したのは夜の23時だった。
「疲れたー!」
タクシーから降りて、安室さんの家の鍵を開け、中に入ると真っ暗。
どうやら安室さんはまだ帰ってきていないらしい。
「…探偵の、お仕事かな」
そう思いたいだけ。
安室さんのことを、分かったつもりでいたいだけだ。
付き合ってしばらく経つのに、安室さんのことを少しも知れていない気がする。
これって、なんなんだろう。
お風呂から出て、髪を乾かし寝る準備をしたらもう深夜1時。
まだ帰ってこない安室さんに、わたしはまた着信を飛ばした。
だけどやっぱり出ない。
これまでも、朝帰りすることは良くあった。
探偵のお仕事で、夜通し張り込んでいたと聞いたこともある。
だけど今日は、あのわたしが見た映像が嘘だったんだと早く証明してほしい。
安室さんのこと、ちゃんと知っていると安心させてほしい。
ローテーブルに突っ伏して、安室さんへの着信画面をじっと眺めていると、仕事の疲れが睡魔を誘う。
だけどわたしは眠れなかった。
じっとローテーブルに突っ伏したまま、安室さんが帰ってくるのをひたすら待ってた。