【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第13章 ZERO
バラエティ番組の収録を終え、楽屋で次の現場への移動の準備をしていると、ニュース速報が飛び込んできた。
なんと、わたしがライブをする予定のエッジオブオーシャンにあるサミット会場で大規模な爆発が発生したとのこと。
映し出された悲惨な監視カメラの映像に、わたしと一緒にいたメイクさんは愕然とする。
「こわ…」
「Lila、ライブ前で良かったわね…」
「そ、そうだね…っていうかもしかしたら来週のライブ中止になるかもな…これじゃ」
多分今山岸さんが関係各所に電話しまくりだろうな…
わたしも、ライブを楽しみにしてたから残念。
でも仕方ないな…人も巻き込まれてるみたいだし、皆さん無事でいてくれたらいいんだけど…
そう思いながらテレビ画面を見ていると、わたしは目を見開いて画面に食いついた。
ただごとじゃない様子のわたしを見て、メイクさんが心配そうに言う。
「どうしたの?」
「あ…むろさん?」
煙に巻かれた映像に、かすかに安室さんが映ったような気がした。
どうして…
だって、今日はポアロの仕事じゃ…
見間違い…?
そう思うけど嫌な予感は収まらず、わたしは慌てて安室さんに着信を飛ばした。
2回、3回、4回とコールをするけど出なくて、8回目のコールで留守番電話に接続された。
「Lila、そろそろ移動よ?」
「あ…うん。」
そりゃ、接客してたら電話なんて出れないよね?
さっき見たのはきっと見間違いだ。
わたしが安室さんのことを好きすぎるから、幻影でも見たんだ。
何度もそう思いながら、わたしは楽屋を後にした。