【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第12章 諸伏景光の隣には
安室さんの目をまともに見れないまま、食事が終わり、お風呂から上がって今洗面所の鏡の前に立っている。
まただ…
この間、元彼女に嫉妬したときの顔と同じ。
可愛くない顔…
安室さん、困った顔してたな…
わたしが写真を見たことも、書留を受け取ったことも気づいていないよねきっと。
もしかしたら、わたしの考えすぎかもしれない。
もともと警察を目指していただけかもしれない。
降谷零という名前は、もしかしたら別人の名前で、受け取りだけ安室さんがしているのかもしれない。
なんなら、探偵業で使ってる偽名なのかも?
そんな風に、自分の気持をどうにか明るくしようと、必死にいろんな可能性を思い浮かべてた。
髪を乾かしてベッドルームに行くと、安室さんがすでにベッドで本を読んでいる。
わたしが、昼間に落としてしまった本だ…
あの写真が挟まっていた本。
ベッドに近づいてきたわたしに気づき、安室さんが笑いかける。
「リラ。おいで、一緒に寝よう?」
「…うん」
そう言って手を広げられると嬉しくて、ああ。やっぱり好きだ…そう思う。
布団に入り、安室さんの隣に寄り添うと、安室さんが肩を抱き寄せて頬にキスしてくれた。
「リラ…好きだよ」
安室さんの目が、わたしの瞳を捉えてくる。
この瞳が、大好き…
「わたしも、好き」
「うん」
優しく笑って、わたしの頬に手を添えた。
そのまま唇が近づいてきて、ゆっくりと重なる。
チュ…
安室さんのキスは、優しい。
優しくて、甘くて、わたしの心全部ピンクに染めてくる。
唇を離して、おでこをくっつけて、ふっと笑った後、また角度を変えて唇を重ねた。
好き…大好き…
そう思いながらキスをしていると、
「好きだよ」
「わたしも…っん」
返事をするために口を開けた隙をついて、安室さんの舌が侵入した。
安室さんが教えてくれた、まだ慣れない大人のキス。