【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第12章 諸伏景光の隣には
ねえ、安室さん。
安室さんの名前は、安室透でしょ?
職業はカフェのウェイターと探偵だよね?
今日スーツで出ていったのも、たまに夜通し帰ってこないのも、探偵のお仕事だったんでしょ?
わたしが勘ぐりすぎているだけだよね?
そう思えば思うほど、わたしの中から何かがこみ上げてきた。
「リラ…どうした?」
気付けばわたしから涙が流れてた。
安室さんは心配そうにわたしの顔を覗き込みながら、わたしの涙を指で拭った。
その指先すらも優しくて、疑いたくないのに
安室さんが嘘をついているなんて、隠し事をしているなんて思いたくない。
思いたくないのに…
「…安室さんは、一体誰なの?」
その言葉が涙と一緒にこぼれた。
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