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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第12章 諸伏景光の隣には




ベンチに腰掛けて、歌を歌ったり話をしたり、ヒロといると1時間が一瞬で過ぎた。

ヒロは優しくて、おおらかで、いつも微笑んでた。
そんな彼が、好きだった。
たまらなく…



ある日、いつも通りあのベンチに走っていくと、ヒロはもう既に来ていて座る後ろ姿が見えた。


「ヒーロ!」


後ろから、わっ!と驚かすようにヒロの肩を叩くと、ヒロはすやすやとうたた寝をしていた。


「…疲れてるのかな」


ベンチに腰掛けた状態で腕を組んで器用に眠るヒロの寝顔を見ていると、だんだんヒロの寝顔が歪んでくる。

怖い夢でも見ているんだろうか…


気付けばヒロの額から汗が流れていて、わたしはそれをぬぐってあげようとハンカチをヒロの額にあてた。

その時、ヒロがわたしの腕をガッと掴みながら目を覚ました。


「っいた…」

「…っは…ごめん!」


握られた腕が思った以上に痛くて、思わず声を漏らしたわたしを見たヒロはパッと腕を離した。


「どうしたの?嫌な夢でも見た?」

「…いや…たまに見るんだ。
…両親が亡くなる時の夢…
最近は見る頻度も減って来てたんだけど、たまに発作のように…」


はぁ…と頭を抱えながら呼吸を整えるヒロ。


「…そう…なんだ…事故?」

「…殺害された。その場面がたまにフラッシュバックする。
…ごめん、こんな話、重いな」


ヒロは悲しそうに精一杯笑って、わたしの髪を撫でた。



「…重くないよ。
わたしは…」


わたしはヒロに、自分の過去のことを話した。


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