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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第12章 諸伏景光の隣には




曲が終わるとヒロが拍手をしながらわたしを見た。


「リラはミュージシャンを目指してるのか?」

「目指していると言うか…まぁ。うん」


今のわたしはアイドルだからミュージシャンではないもんな…
今はアイドルだけど、ソロアーティストになりたい。
なんて、自分の境遇が特殊過ぎて、説明に困る…

というか、この人やっぱりわたしのこと知らないんだ。
結構知名度はある方だと思っていたけど、思い上がりだったみたい。


「ヒロは、何の仕事してるの?
あ、というか今いくつなの?
イギリスにはいつまでいるの?
あと…」


話したいこと、聞きたいことがありすぎて次々とわたしから質問が飛び出した。
その様子を見て、ヒロが笑う。


「…ふ…。そんな、一気に聞かれるとは」

「っご、ごめんなさい…」

「仕事は…正義の味方?」


そんなとぼけて言うヒロを、わたしは顔を膨らませながら睨む。


「真面目に答える気ないでしょ?」

「はは!歳は23。これは本当」

「わたしより6つも年上なんだ」

「ってことは、リラは17?大人びてるな」


わたしの年齢が信じられない様子のヒロは目を丸くしてわたしを見た。

17歳なんて、思っていた以上に子供なんだなって思われたかな…


「イギリスには、今月いっぱいはいると思うよ。
…これで全部答えたな」

「え…まだ聞きたいこと…」

「今度はオレの番。
リラの夏休みはいつまで?
毎日歌の練習ここでやってるのか?
…こんな夜に外出て、親御さんは心配しない?」


まるでさっきのわたしを真似するみたいに、笑いながらたくさん質問をして来た。


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