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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第12章 諸伏景光の隣には




5年前

当時17歳だったわたしは、事務所と揉め事の真っ最中だった。

アイドルグループを抜けて、ソロアーティストとして活動したいわたしと、今売り出し中のグループのエースを抜けさせるわけにはいかない事務所


子供だったわたしは、反抗を示すために、半ば強引に1ヶ月の休養をとった。


そして、母と兄が住む、イギリスにやってきた。


「リラー?ちゃんとチップスも食べなさいよー!?」

「いらないー。太るもん」

「お前、それ以上痩せてどうするんだよ」

「お兄ちゃんにあーげる!」


そう言ってわたしは兄のお皿の上にチップスを移動させた。


「俺はもうシャワー浴びて寝るんだよ。
明日はドバイへ飛ぶから」


兄はお皿に乗ったチップスをまたわたしのお皿に移動させて、席を立ち、シャワールームへと向かっていった。


弁護士の母、旅客機パイロットの兄が住む家はロンドンのメイフェア地区
高級住宅街にあるマンションは、わたしを入れて3人でも広すぎるぐらいだ。

イギリス人だった父の仕事の関係でイギリスに移住。
その後、父と母は離婚した。

兄にチップスを押し付けるのに失敗したわたしは、仕方なく自分の口に運ぶと席を立った。





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