【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第12章 諸伏景光の隣には
このひと月、安室さんと大人な雰囲気になることはたくさんあった。
実際、夜二人でいると、キスから始まってだんだん安室さんの手がわたしの肌を這って、ベッドまで運ばれた時も何度も合った。
だけど、気持ちよくしてもらうのは毎回わたし。
わたしが達すると、安室さんは優しくわたしを抱きしめて、髪を撫でながらおでこにキスをすると、そのままわたしを抱っこしたまま眠りにつく。
最後までは、結局まだしてない。
熟成中なんてとぼけてたけど、したくないのかな…?
それとも、扱いづらい女だって思ってる?
わたしのこと、子供だって思ってるのかな。
「リラ?」
「えっ」
「どうしたの?ボーッとして」
わたしがネクタイを締めた後、しばらくぼーっとしているから安室さんが心配そうに顔を覗き込んできた。
「ううん!今日はわたし午後から取材1本だけだから、部屋の掃除してるね。
晩御飯も簡単なものだけどわたしが作るから」
「うん、ありがとう。
じゃあ、行ってくるよ。なるべく連絡するから」
安室さんはそう言うと、わたしのほっぺにキスをして玄関を出ていった。
ほっぺじゃ足りない…
わたし、欲求不満すぎ!?
かああっと顔を赤くしながら安室さんが出ていったドアの方を見つめ、数秒ぼーっとしたあと
「…掃除しなきゃ」
と頬をぺちぺち叩いてまたLDKに戻った。