【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
リラは、戸惑っているような、ときめいているような、朧げな瞳で僕を見つめ返してくる。
「…リラ…好きだよ…」
「安室さん…」
「大好きだ」
そうして、リラの柔らかい唇を奪う。
「んっ…」
小さく漏らしたリラの吐息が2人の間で溶けて甘い味がした。
リラのぎこちない手が、僕のTシャツの袖を掴む。
ゆっくりと唇を離した時
ちゅ…
というリップ音が小さく弾け、数秒じっと目を見つめ合った。
「…もっと…」
「え…?」
「もっと、してほしい」
今度はリラからゆっくりと僕の唇を奪いにくる。
この間までキスの仕方すらまだ知らなかったくせに、あっさり僕のタガを外して行った。
「リラ…」
「んっ…あむろさ…」
「…ベッド、行こうか」
リラを大切に抱きたくて、ソファーで勢いでじゃなく、ちゃんと優しくしたくて、リラの髪を撫でながら耳元でそう聞いた。
リラは少しだけ迷ったあと、僕の首にぎゅっとしがみついて言う。
「連れてって…」
「…喜んで」
そう言うと、リラをお姫様抱っこして抱き上げて、ベッドまで運ぶとゆっくりと寝かせた。