【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
可愛いがすぎる…
もう今日何度可愛いって言った?僕は…
わかりやすく胸を撃ち抜かれている自分に呆れながらも、リラの頬にキスをした。
「リラ…」
名前を呼んで、そして耳元で囁く。
「リラ…僕が好きなのは、君だよ」
リラはぴく…と少し身体を揺らしたあと、まだ頑固に小言を言ってくる。
「…でも、だってあの人にもキスしたでしょ?
一緒にデートして、手を繋いで、キスして、それから…最後まで…っ」
「…それは、そうですね。
してないって言ったら嘘になる」
付き合っていたのは事実だ。
それに、前の彼女のことは本気で好きだった。
そんな過去を無かったことにはどうしても出来ない。
ごめんな…
心の中でそう思いながら、リラの不安がどうすれば無くなるのか必死で考えていた。
そんな僕に、リラはぎゅっと抱きしめ返しながら言う。
「…こんなの、考えてもどうしようもないのに…
でも…やなの。嫉妬しちゃうの…
わたしにその1億倍してくれないといやなの!」
語尾を強めて、またぎゅっと抱きついてくるリラ。
一億倍って…そんなことしたら、リラのこと壊す自信あるけど?
「…可愛すぎる…」
「な!わたし、これでも怒ってるんだよ?」
そんな可愛い顔で怒ってると言われてもな…
そう思いながらも、僕はリラの頬に手を添えて、瞳を見つめながら甘い言葉を吐く。
「いや、わかってるけど…そんな可愛い嫉妬、嬉しくてどうかなりそうだ。
…一億倍、本当にするよ?」
「え…」
「リラがやめてって言っても、やめないよ?」
そう言いながら、僕はリラをゆっくりとソファーに寝かせた。