【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
ソファーに座ると、わたしの髪を撫でながら言う。
「どうしたの。
…僕、何か気に触るようなことした?」
「…」
どうして、彼女って紹介してくれなかったの?
どうして、前の彼女と一緒に働いてること黙ってたの?
…わたしの、どこが好きなの?
聞きたいことはたくさんあるのに…
「リラ。
…僕のこと、嫌いになった?」
「っ…ちがうよ!」
そんなわけないじゃない!と、寝ていた身体を起こしながら思わず大きい声で否定したわたしを見て、安室さんは少し驚いたように目を見開いたあと、また困ったように言った。
「…じゃあ、どうして一緒に寝てくれないの?」
「…っ…」
「ん?言いたいことあるなら、ちゃんと言って?聞くから」
ソファーで隣同士に座るわたしの肩に腕を回し、安室さんがわたしの身体をぎゅっと抱きしめた。
ずるい…
こんなに優しくして、わたしの気持ちぜんぶさらっていく…
「…安室さ…」
「なに?」
安室さんは優しい声で聞きながら、わたしの髪を撫でた。
もう、閉じ込めておくなんて出来なくて、わたしの感情が次々に溢れ出てくる。
「…今日一緒に働いてた女の子、元カノなんでしょ?」
「え…」
「あの子のこと、まだ好きなんでしょ?」
自分の口から出たあまりに辛い言葉に、思わず涙が滲んだ。