【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
バスルームから出て、髪を乾かし部屋着に着替えてLDKに戻った。
先にベッドに入り、スマホを弄っていた安室さんは、わたしに気付いて微笑む。
「リラ。おいで?」
ぽんぽんと、ベッドの隣を叩きながら手招きする安室さん。
行きたい。
隣に行って、ぎゅってしてもらいたいのに…
「…今日は、ソファーで寝る」
また、そんな可愛くないことを言って、わたしはソファーにゴロンと寝転がった。
「え…」
安室さんが戸惑ったように声を漏らすのを聞いた。
わたし、何やってるんだろう…
言えば良いのに。
元カノに嫉妬してるって。
けど、言ってどうするの?とも思う。
過去は変えられないし、あのバイトを辞めてなんて言えないし、言いたくない。
そんなつまらない女の子になりたくない。
矛盾してる。
面倒くさい女だ。
「…リラ?」
明らかに様子のおかしいわたしを心配しながら、安室さんが優しく名前を呼びながら、ベッドを降りてこっちに来た。