【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第11章 前の彼女 ☆
ヨーコちゃんと別れ、わたしは安室さんの驚く顔が見たくてポアロに向かった。
突然わたしが行ったら迷惑かな…?
そう思ったりしたけど、ヨーコちゃんに
彼女が会いたいって言ってくるのを、迷惑に思う彼氏はいないはずです!
なんて乗せられ、ノコノコと店の前までやってきたのだ。
店のドアを恐る恐る開けると、カラン…とドアベルが鳴った。
が、店の中には誰もいない。
裏で、何かしてるのかな?
すみませーんって声かけるべき?
そう思っていたら、奥の方から声が聞こえてきた。
「まったく…痛いなら痛いって言ってくださいよ。」
「ごめん…すぐ治ると思って」
この声は、大好きな安室さんの声だ。
それと、知らない女の人の声…
一緒に働いてる従業員のひとだよね。
そう思いながら、盗み聞きするつもりもないのに、彼らの会話をつい聞いてしまう。
「君は、相変わらず痩せ我慢が得意ですね。
…付き合ってる時から、危なっかしくて見てられなかった」
「め、面目ないです」
付き合ってるとき…?
ドク…とわたしの心臓が、嫌な音を立てた。
もしかして、もしかしなくても、安室さんと安室さんの元カノ…?
すぐにポアロを出ようと思ったのに、脚が動かない。
元カノって…出会った時、まだ好きだと言ってた元カノ…
わたしのスタンドバイミーを聴いて、思い出して泣いていた元カノ
一緒に働いてるんだ…
そんなこと、一言も言ってなかったのに。