【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第10章 初めてのデート ☆
そんな欲張りな僕の願いを、一瞬ぽかんとした顔をして聞いたリラは、そのあとみるみるうちに顔を赤くしていく。
「…うん…あげる。…わたしの全部、安室さんにあげたい」
頬を紅潮させながら、照れてそう言うリラが可愛くて、愛しくて、僕はもう一度リラの肩に腕を回すと、また強引に唇を重ねた。
フロントガラスから丸見えだってことを気にする余裕は少しもなかった。
「んんっ…」
「っ…リラ…好きだよ」
「…わ…たしも…ッん…」
好きだと言うと、リラが返事をするために口を開く。
それをわかっていた僕の罠にハマったリラの口内に、自分の舌を滑り込ませた。
くちゅ…
舌が絡む音がして、リラの身体がピクッと反応した。
まだ慣れない様子の大人のキスに懸命に舌を絡めているリラ。
きっと僕の我慢もそう長くは続かない。
今すぐにでもリラを抱きたいと思うのを必死に抑えているぐらいだ。
リラの唇と舌を思う存分味わい尽くした後、ゆっくりと唇を離すと、リラは顔を両手で覆いながら言う。
「も…本当、ダメ…」
「ん?」
「わたし、きっとそのうち安室さんに心臓麻痺で殺されちゃう」
そんな可愛い事を、少し悔しそうな顔をして言うリラが愛しくて、思わず笑みが溢れた。
「じゃあ、リラの心臓が止まってしまわないうちに、ご飯でも食べに行きましょう」
そう言ってリラの髪を撫でると、リラはまた悔しそうな顔をして僕を見た。
「余裕だ…」
「え?」
「安室さんばっかり余裕で、悔しい」
ぶーっと口を尖らせながらそう言うリラ。
僕はシートベルトをしながら笑った。
「余裕なんて、全くないですよ」
我慢できずに白昼堂々車でキスするぐらいなんだから。
心の中でそう言って、僕はハンドルを握った。