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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第10章 初めてのデート ☆




そんなわたしとは裏腹に、安室さんは余裕な大人の笑顔で言った。


「今日、ランニング終わった後、デートしようか。
せっかく恋人同士になれたんだし」

「うん!!!」


勢いよく返事をしたわたしを見て、安室さんがハハッと笑いながら続ける。


「どこか行きたいところありますか?」

「え…わたしが選んでいいの?」

「当然」


これまでの彼氏は、デートの行き先を聞いたりしてくれなかった。
それがとても新鮮で、わたしは何も考えずに素直に自分の行きたい場所を提案する。


「…じゃあ、国立科学博物館に行きたい!!」

「…え?」


わたしの口から飛び出した場所がまさか過ぎたのか、安室さんは目を見開いてわたしを見た。


しまった。
映画が観たいとか、おしゃれなカフェに行きたいとか、ディズニーランドに行きたいとか言えばよかった!!!

可愛い回答をするべきだったのに…


「あ…えっと…」


わたしが慌てて違う場所を言おうとした時、安室さんが優しく笑ってわたしの髪を撫でた。


「ははっ…いいよ?行こう」

「い、いいの?」

「小学校の遠足で行って以来だよ。
楽しみです。
じゃあ、早速準備して行こう?」


楽しそうにそう言った安室さんは、ベッドから身体を起こし、洗面所に向かった。

好きになった人が、安室さんで良かった。

わたしが焦りながら言い訳を考える必要ないぐらい、わたしの気持ちをすぐに軽くしてくれたから。


わたしは洗面所で歯磨きをしている安室さんに後ろから走っていくと、ぎゅっと飛びつくように抱きついた。


「わっ。…びっくりした。どうしたの」

「ううん。嬉しくて」


どうしよう。
付き合った次の日からこんなに幸せで大丈夫なの?!

こんなに幸せを感じるのが久しぶりすぎて、安室さんの方をじっと見ると、安室さんは歯ブラシをくわえながらわたしの髪を撫でた。


「ほら、リラも早く準備してください」

「はあい」


幸せすぎて、もう顔が緩みっぱなしのわたしは、ふわふわする脚で今日着ていく服を選ぶためにクローゼットに向かった。



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