【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第9章 I fancy you
やっぱり、今まで付き合った人と全然違う。
元カレたちは、わたしの手を引っ張ってどうにか自分のものにしようとしていたけど、安室さんはわたしのほんの少し前を歩いてくれる。
時々、わたしがちゃんとついて来ているか振り返りながら。
そんなひと。
そんな風に甘い空気をずっと醸し出している自分達に、安室さんが呆れたように笑った。
「キリないな。玄関でずっとイチャイチャして」
「そうだね。
あ、わたしの荷物、送っちゃったよね?
下着とか無いからコンビニに…」
「いや。…送ってないよ」
予想外の回答にわたしは驚いて安室さんを見た。
「え?だって…」
「送ろうと思ってたんだけど、送らなければ君が取りに来るかなと思ったら、送れずにいた。」
そう言いながら少しだけ照れて笑う安室さんが愛しくて、思わず心臓がぎゅっとなる。
顔を赤くしながらぼーっと安室さんを見ていると、わたしの頭をぽんぽんしながら笑った。
「もっと大人だと思ってただろ?
君が思っている以上に僕は大人らしく無いですよ」
「…ううん。…好き」
そう言いながら、安室さんにぎゅっと抱きつくわたしに、安室さんはまた照れて言った。
「だから、キリがないって」
そんなこと言いながら、わたしのことをぎゅーーっと抱きしめて頬にキスをする。
「…じゃあ、まあとりあえず中に入って、荷解きする?」
「する!」
そう言って、安室さんの後ろについてLDKへと足を踏み入れた。