【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第9章 I fancy you
壁を背にして逃げ場がない状態で、安室さんはわたしを殺しにかかってくる。
「リラ…好きだよ」
安室さんに見つめられて、骨の髄まで溶かされそうになりながら、安室さんの唇が近付いてくる。
そして、ゆっくり重なった。
「ん…」
「リラ…口開けて…」
はぁ…と吐息を吐きながらそう言われ、わたしの口はゆっくり開く。
すかさずそこから、安室さんの舌がわたしの口内にねじ込まれた。
「ンンッ…」
安室さんの熱い舌が、わたしの舌を這う。
くちゅ…
ガクガクと脚が震えて、わたしは必死に安室さんの腕を掴みながら、舌を絡ませた。
突然やってくる安室さんの味と、柔らかい舌の感覚に、わたしの脳が熱く溶かされる。
やばい…このままだと、本当に安室さんに心臓麻痺で殺される…
だって、なんか…苦しい…
くるし…
「っん…リラ…」
「んん…だめ…いきできな…」
「え?!」
この大人なキスの息継ぎの仕方すらわからないわたしを見て、安室さんは驚いて唇を離した。
はぁ…はぁ…と必死に酸素を取り入れるわたしを見て、安室さんが言う。
「キス、下手ですね」
「へ、下手だよ…?言ったでしょ?そういう経験、無いって」
「てっきり冗談だと思っていました」
目を丸くしながら、安室さんはわたしを見た。
「キスは何度かしたことあるけど…こういうキスにまだ慣れてなくて、その…キス以上はした事がない…です」
こんな華やかな世界にいる癖に、キス以上はまだって、流石に引かれた?
とんでもない女を彼女にしたなって思った?
しゅん…と下を向くと、安室さんがまたわたしを抱きしめた。
「…じゃあ、これから僕が教えて行くよ。
たっぷり、時間を掛けて」
そう言って髪を撫でた。