【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第2章 運命を信じる?
芸能界に入ったのは、15のときだった。
有名なTV番組で、国民的アイドルの追加メンバーオーディションが開催されるという話を聞き、興味本位で応募してみたのがきっかけだ。
もともと歌が好きだった。
小さい頃から、辛い時や苦しい時、いつも歌を歌うと自然と笑顔になれた。
歌っている時だけは嫌なことを全部忘れられた。
ただ、歌が好き。
その思いだけの軽い気持ちで応募したわたしは、応募総数2万人の中から、たった一人合格した。
きっと運が良かったんだと思う。
最終審査まで残ったメンバーの中で、わたしの声が既存メンバーのどの子にも似てなかった。
だから合格したんだと思ってる。
それから、思えばもう8年も経ったんだ…
わたしは19歳でアイドルグループを抜け、ソロシンガーとなった。
そして、これもまた運が良くて、ソロになって自分で作った曲が立て続けにヒットを連発。
それには理由があって、わたしが作る曲はほとんどわたしの恋愛の実体験がテーマの、日記のような歌だから。
そしてその相手の中には有名な男性アイドル、俳優、スポーツ選手なんかもいて、それが世間の注目を集めていた。
曲を作るために、恋をして
その恋が終わったらまた曲を作る。
もはや、恋と呼んで良いものかもわからない。
そんな生活をもう数年続けている。