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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第9章 I fancy you




安室side


ポアロのバイト中も、ふとした時にリラの笑った顔が頭に浮かんだ。


「安室さん?」

「あ、あぁ。」

「どうしたの?考え事?」

「うん。ごめん、ちゃんとするよ」


心配そうに首を傾げて聞いてきたのは、僕の元彼女。
そして、つい最近まではこの子のことが好きだと思っていたのに。
いつの間にか、追い越していた。
リラのことが好きだと言う気持ちの方が、大きくなってた。


芸能人に本気になって、僕はもう救いようないな。


帰ったら、ちゃんと荷物も宅配に出そう。

そして、他人に戻り、僕はただのファンとしてリラの歌をテレビ越しに聴けばいい。

そういう運命だ。


そう思ったとき、ポアロに置いてあるテレビのチャンネルを、お客さんが徐に変えた。


そこに突如として映ったのは、リラだった。


「あー。Lila!」


お客さんの女子高生が、画面を指さしてリラの芸名を言った。

朝、僕の家から出て行ったリラ
昨日の夜、僕の腕の中で眠ったリラ
なのに随分と遠くに感じる。
Lilaと呼ばれて、別人みたいだ。


「じゃあLila、この曲のポイントについて聞かせて」


司会者にそう振られたリラは、カメラを真っ直ぐ、あの綺麗な瞳で見ながらゆっくり口を開いた。



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