• テキストサイズ

【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第9章 I fancy you




安室side


リラが出て行ったドアがパタリと閉まった。


さよならを僕から言ったのは、リラから先に言われたくなかったから。

…思っていた以上に、僕はちゃんとリラのことが好きだったみたいだ。
彼女が出て行ったドアを見つめながら、ひょっこり戻ってこないかな?なんて思ってた。



…宅配業者に連絡しないと。


そう自分に言い聞かせて、リラが詰め忘れている荷物がないか、部屋をチェックする。

チェストの一番下の段の引き出しを開けると、綺麗に空っぽだ。


…ここは、定期的に寂しいぐらい空っぽになるんだな…

はは…と力無く笑って、スマホを取り出した。


荷物を送ろうとして電話をかけるが、ふとその手を止める。

もしこのまま、荷物を送らなければ取りに来てくれる?
そしたらまた、リラに会える口実が作れるのか?

なんて、男らしくないにも程があるな…


そう思うのに、僕の指は発信ボタンをタップしようとしない。

リラのことを、汚してはいけないと思う気持ちと、リラを僕のものにしたいと言う気持ちがひしめき合って、身動きが取れない。


「…重症だな」


はぁ…とため息を吐きながら、頭をくしゃ…と掻いてその場に座り込んだ。

僕は一体、どうしたいんだよ…


/ 945ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp