【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第8章 タイムリミット
…そうだ。ストーカー。
気絶しているが、起きる前に警察に電話を入れるか。
そう思い、リラを片腕で抱きしめながら、スマホで110と毛利先生に電話をかけた。
「リラ…もうすぐ、警察と毛利先生が来るから。
もう心配いらないよ」
「…っ…」
そう言ってリラの頭をぽんぽんと撫でながら、また身体を抱きしめるが、小刻みな震えは止まらない。
「リラ…」
ゆっくり身体を離して、リラの顔を見ると、唇までカタカタと震えていた。
「リラ…大丈夫だから…」
僕はリラの両頬を両手で包み、こっちを向かせると、そのままゆっくりリラの唇に自分の唇を重ねた。
「ん…」
ちゅ…
と触れるだけのキス
リラの唇から吐息が微かに漏れた。
ゆっくりと離すと、リラは僕の腕に縋るようにして言う。
「もっと…キスして…」
「…うん」
言われるがまま、リラにまた唇を重ねる。
そして頬に、額に、まぶたにも。
リラの震えはだんだん治まってきて、僕の方をじっと見ながら言った。
「っ…苦しい」
「え…?」
言ってる意味が分からなくて、僕はリラの瞳を覗き返した。