【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第8章 タイムリミット
「俺が別れようと言ったのは、君の気持ちを確かめたかったんだよ。
なのに、君はあっさり了承して、おまけに俺のことをボロクソに書いた曲をリリース。
そしてあっさり新しい恋人を作った。
…許せると思うか?
俺はまだ君が好きなんだよ!」
安室さんは彼氏じゃない!
って、そんなツッコミをしている場合じゃない。
このひと、目がヤバイ…
完全に、目が据わっていて、何されるかわかんない…
ゾクゾクと恐怖が背中を伝った
安室さん…助けて…
不意に安室さんの顔が浮かんだ。
「なあ、どうして俺のこと好きになってくれなかったの?
わかった。
やっぱりセックスしなかったのが原因だ。
無理矢理にでもやってれば良かったんだ。」
「ちょっ…やだ!やめて…」
わたしの抵抗も虚しく、公園の隅っこに手を引っ張られ、そのまま抱きしめられた。
そして首筋に顔を埋めると、ぢゅ…と吸う嫌な音と、気持ち悪い感覚が身体を駆け巡る。
やだ…
怖い…
助けて…安室さん
「あ…むろさ…」
ぎゅっと目を瞑って、彼の名前を絞り出すように呼んだ。
その時、
「おい」
後ろから、誰かが元彼の肩を掴んだ。
あ?と振り返った先には安室さんが怖い顔して、一瞬で拳を振りかぶり、元彼の顔面に右ストレートを繰り出した。
ドコッ…
元彼は気絶して、わたしの目の前でぐら…と横に倒れた。
「あ…む」
「リラ!大丈夫か?」
安室さんが、わたしに向かって手を差し伸べてくれた。
わたしは思わず、安室さんの身体にぎゅっと抱きついた。
「こ…わかった…」
「…もう大丈夫だよ。僕がいる」
安室さんの腕の中は安心する。
さっき、元彼に無理矢理抱きしめられたときと全然違うよ…
胸が、ときめいて苦しい。