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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第8章 タイムリミット




そんな僕を見て、リラは少しだけ目を細めて僕を見る。


「…大丈夫だよ。気にして無いから」

「…」


納得のいっていない。
そんな顔をしていたんだろう。

僕を宥めるように、リラが言う。


「有名になればなるほど、そう言う声があがるのは仕方ないよ。
ほら、どんなに良い商品でも、必ず酷評レビュー書かれてるじゃない?
それと同じ。」

「それはそうだけど、君は商品じゃない。
一人の人間だろ?
陰でこんな風に好き勝手言われて…」

「わたしは、わたしのこと好きって言ってくれる人達を幸せに出来ればそれでいいの。」


それ以上、何も言えなかった。

見ず知らずの人間に一方的に嫌われる。
有名人とはつくづく人権がないんだと思った。

それなのに、リラは大人だ。
6つも下とは思えないぐらい、精神的に大人。

何なら、僕の元彼女の方が精神的には幼かったかもしれない。
泣き虫だったしな…

かたや、リラの涙はまだ一度も見たことがない。

きっと、この先も見ることは無いんだろうな。
涙を見るような関係にはなれないんだから。



「安室さん?」

「えっ…?」

「どうしたの?ぼーっとして…」

「いや?…じゃあ、これからどうしようか。
行きたいところとかありますか?」

「…ううん。家でゆっくりしたい」


家にいたら、またうっかりリラに手を出してしまいそうになるんだよな…

だけど、連日仕事続きで疲れているのかもしれない。
家でゆっくりしたいなら、そうさせてやったほうがいいか。


「あぁ。わかった。」


そう言って、僕が伝票を取って席を立とうとしたとき、リラも同時にそれを掴む。


「…?僕が払いますよ?」

「わたしが払うよ?」


奢らせてもくれないのか…この子は…

考えてみれば、きっと僕より稼いでいるだろうしな…
そう思うとさらにムキになった僕は伝票を無理矢理自分のものにして、レジへと向かった。



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