【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第8章 タイムリミット
安室side
甘いものをとても幸せそうに食べるリラを見て、自然と笑みが溢れた。
結構大きかったワッフルをぺろりと一人で平らげたリラは、余韻に浸るような顔をしながらアイスティーをストローで啜った。
どうにか、糖質オフで美味しいデザートを作ってやれないものかな。
ポアロの試作品として、色々考えて見るのもアリか…
なんて、リラは別に僕の彼女でも何でもないのに。
無意識に、リラの喜ぶことをしてあげようと考えている自分に気づき、自嘲気味に笑った。
そんな時、隣に座った女子高生3人組の会話が突如として突然耳に飛び込んでくる。
「あ。Lilaの新曲のジャケット画像出てるー!
可愛いー!」
「あー?Lila?
あたし嫌いなんだよねー。
わたし可愛いでしょ?っていう感じが出すぎ」
「わかる。
歌も大して上手く無いよね。
作る曲は似たようなものばっかだし」
「えー。そうかなー?」
よくある女子高生の会話だ。
ポアロに来る女子高生も、こういう取り留めのない話をよくしている。
なのに、僕は思わずムキになっているらしい。
…可愛いだろ…どう見ても。
それに、歌だって上手いだろ…どう聴いても。
あの歌を聴いて泣いた僕まで馬鹿にされたような気がして、ポーカーフェイスを崩しそうになる。