【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第2章 運命を信じる?
安室side
彼女と別れて、数ヶ月が経った。
「じゃあ、これ毛利さんのところへ差し入れに行ってくるよ。」
僕はいつものサンドイッチを作った後、バイトあがりの時間に合わせてポアロを出ようとした。
「あ!待って安室さん。」
「ん?」
そんな僕を呼び止めたのは、僕が世界で一番憎んでいる男の恋人で、ほんの少し前までは僕の彼女だったひと。
結局奪い返されてしまい、僕はまだ性懲りも無く彼女のことを想っている。
「これ、わたしが作ったプリン!
サンドイッチと一緒に持ってって?」
「へー。プリン。可愛い」
「…食べ物に可愛いもなにも無いでしょ?」
彼女はそう言ってふふっと笑うと、僕の腕のあたりをポンっと叩いた。
可愛いのは、プリンじゃなくて君なんだよな…
心の中でそう思いながら、僕はプリンとサンドイッチを持って毛利探偵事務所を訪ねた。
「こんにちはー!」
ドアを開けると、毛利探偵はテレビにかじりついて何かぶつぶつ言っている。
「あら。安室さん」
「どうしたんです?毛利先生は。」
「今、ちょうどミュージック大賞やってて、ヨーコちゃんが出てるんです…」
「ゴーゴーヨーコ!」
「ああ。なるほど」
まだ夕方だと言うのに頭にネクタイを巻いて完全に出来上がっている毛利探偵は、テレビに向かってコールを上機嫌に送る。
コナンくんも蘭さんも、そんな毛利探偵をジトーっと呆れた目をして見ていた。
どうやら、特に面白そうな事件はなさそうだな。
そう思い、引き上げようとした時