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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第19章 恋をしたい幽霊


早いもんでイナミとウルキは一歳になった。
「イナミ〜ウルキ〜!お誕生日おめでとう!」
クグラ「今夜は家族水入らずでお祝いしような!」
イナミ&ウルキ「あ〜い!!」
「でね!クグラ、もう一つおめでたいことがあるの!」
クグラ「なんだ??」
「あのね…できちゃったみたいなの。」
いつだか見たドラマに出てくる若妻のように恥じらったような仕草で言う。
クグラ「何ができたんだ??」
だが、この男には通じなかった。
「やっぱ分からないか…赤ちゃんだよ!イナミとウルキの弟か妹!」
クグラ「…えー!!いつ!?」
「昨日、日本で買ってきた妊娠検査薬使って分かったんだよ!多分妊娠1ヶ月だね!」
クグラ「そっかぁ…。いやぁ驚いたなぁ。まぁあんだけ毎日やる事やってりゃできるわな!」
「下品な言い方しないの!!」
クグラ「…この中にまた俺の子が宿ったんだなぁ…。」
涼子のお腹に手を当て優しく撫でる。
クグラ「涼子。また元気な子を産んでくれな。」
涼子を抱き寄せる。
「うん。」
二人でイチャイチャしてると何者かが部屋へ入ってきた。
クグラ「うわっ!!何だ!?」
入ってきたのは少女の幽霊だった。壁をすり抜けてきたのだ。
「あれ?なんでこの部屋に幽霊が入れるの??」
幽霊「それはお嬢さんが結界を壊したからかと。」
結界に使っていた飾りをイナミが引きちぎり振り回していた。今までは扉の取手に結界を付けていたので霊が一切侵入できなかったのである。
「…もっと高い位置に結界張り直さないと。てか、あなた何か用なの??」
幽霊「はい、実はお願いがありまして…私を成仏させてください!」
「何か未練でもあるの??クグラにも見えるくらいだからかなり長いこと幽霊やってるみたいだけど。」
クグラ「あっ!そういや俺にも普通に見える!」
幽霊「はい…かれこれ500年は幽霊やってます。」
クグラ「俺より年上かよ!!」
幽霊「14の時死んだのですが…ずっと思い残したことがありまして。」
「それは??」
幽霊「…一度でいいから男性とお付き合いしたいんです!それで一日でいいから男性と二人で楽しく過ごして…とにかく恋がしたい!」
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