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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第149章 出会った頃の2人の話


涼子はクグラを殴ろうとした。
クグラ「…んなことしたら一緒に寝てやんねぇぞ?」
「うっ…。」
とりあえず殴るのはやめた。
クグラ「ふっ…。」
「(ゔぅ…ちょっとムカつくけど一人じゃ寝れないのは事実…我慢するしかない。)」
そして二人で微妙に離れて寝た。
数時間後…
クグラ「んっ……なんだっ!?」
涼子はクグラを抱きしめていた。ちなみに胸が顔にモロ当たっているのである。
「ん〜……カトリーヌ……」
クグラ「俺はかとりいぬじゃねぇっての…つーかコイツ、乳デカいんだな…ヤベェ…ちょっと気持ちいいかも〜……」
そんな事を言いながら鼻の下を伸ばしていると涼子の凄まじい力で抱きしめられる。
クグラ「んげー!!おい!やめろー!」
「……ん?……えっ!?なんであんた私に引っ付いてるのよ!?スケベ!!」
クグラ「は!?お前が『かとりいぬ』とか言いながらくっ付いてきたんじゃねぇか!」
「………こりゃ失敬しました。」
まぁそんなこんなで何日か一緒に過ごし、数日後の夜中にクグラがふと目を覚ますと涼子が隣に居なかった。
クグラ「ん?…便所か?…………??」
離れたところから啜り泣きが聞こえた。恐る恐る啜り泣きの聞こえる方に近付いてみると涼子が座り込んで泣いていた。
クグラ「…おい、なんでそんなとこで泣いてんだよ?」
「……だって…帰る方法分からないし…パパやママや友達にももう会えないかもしれないって思って……この世界じゃ一人ぼっちみたいで…寂しくて……。」
クグラ「……………。」
クグラは黙って涼子の頭を撫でた。
クグラ「俺には帰る方法も分からないし…何もしてやれねぇけどさ……寂しかったら一緒に居てやるから。泣くなよ…。」
「クグラ……。」
クグラ「お前は一人じゃねぇよ。」
涼子の手を握って言う。涼子はクグラに抱き着いた。
「…ありがとう。」
それから二人の距離は縮まっていった。
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